コチラのページは、私(生産者:久保 豊範)が自分の言いたい事ではなく、
お客様の知りたい事をお話し出来ればと考え、友人の協力でインタビュー形式に致しました。
小さい頃、将来お米を作るとは全く考えていなかった
米作りの前は、家を造る為に工務店を始めたそうですが、どのような事がキッカケだったのですか?
自分の家を建ててもらった時に、「家を造るって楽しいなぁ」と思いその時は家造りの仕事をしていなかったんだけどこの時から自分も家造りの仕事をしたいと思い始めたんです。
家を造って何が楽しいんですか?
家造りをしていると、ワクワクするんですよね。単純にそれだけでやってみようと思った。
お客様の為でなくて、自分の為にやったのですか?
自分が喜ぶ仕事を心がけることでお客様も喜んで頂けるんですよ。そういうものです。
お米作りのキッカケは突然やって来た
妻の実家が専業農家で、跡取りがいなかった。でも妻は4人姉妹の3番目。3番目をもらった時点で後継ぎがいなかったんだけど4番目がいるから良いと思っていました。そしたら4番目が嫁いでしまったんです。とうとう後継ぎがいなくなってしまって・・・。
でも、実家からはお米や野菜をもらって生活していたので「田圃や畑に従事する人がいなくなったら、もったいないよね」と思い4番目が結婚した直後に妻に相談して、「やってみようか」ってことで始めたんです。自分の意思さえあれば、そこには田んぼがある。機械もあるし、分からなければ今なら義父に聞くことができる。そういう状況なら「良いタイミングだ」と思った。お手伝いと思って始めたんではなくて自分が楽しいから始めた訳です。
家造りもそうだけど、なんか楽しそうだからやってみたいなと思って。決して義父の姿を見て楽しそうだと思ったのではありません。というのも、義父が米作りをしている姿を見ていなかった。手伝ったのは田植えの時期くらいでした。ただ、直観的に楽しそうだなと思って始めたのであり義務とか、お手伝いとか、そういうことではない。ほぼ直観に近い。
また楽しいなと思うものが出てきたら新しいことを始めてしまうことも有り得るんですか?米作りの今後について、どう考えていますか?
特に考えていません。いつも「自分がやりたい」と思う事をやるだけ。お米は自分や家族が必ず頂くもの。だからそういくものは、体が欲する限り続けると思います。自分が食べたいと思うものを作り続けると思います。主食ですからね。
ありがとうございました。
始めた年に無謀にも日本一を目指した理由とは?
どうやったら日本一になれるのか?日本一になる方法を聞きたいんですが・・・
そもそも農家さん全員がコンテストに出る訳では無い。お米を作ろうって決めた時に何か違うことをしたかった。私がお酒を選ぶ時は、○○コンテストで○○賞受賞とか、□□コンテストで優勝とかそういったラベルで選びます。だって、酒屋で試飲できませんからそういう基準で選ぶしかないですよね。なので、お米もそういったコンテストがないのかなって思った。
農家の知人、義父や、農協さんで「お米のコンテストはないんですか」って聞いたら無いって言われた。最終的にインターネットで検索したらあったんですね、やっぱり・・・「じゃあ、これ出そうっ」て、そんな感じです。
コンテストに出ようと決めた瞬間に日本一をイメージする事を心がけた
コンテストに出そうと思った時点で優勝のイメージがありました。お米が出来て、皆で美味しく食べて会場に行って、賞状をもらって、自分が優勝のコメント言っている・・・そんな雰囲気というかイメージが湧いたんです。当然お米を作ったことないけど、イメージからのスタート。お米を作る不安とかは全くなかったですね。でも面白いのは、周りの人がいろんな事を言うこと・・・「何やってんだ」「そんなことをしてもお米はできないよ」なんて言われた。
最初からコンテストに出るって宣言していたんですか?
宣言しました。みんな本気で聞いてくれなかったけど(笑)コンテストに出すだけではなくて、コンテストに出して1番になる。「このお米たちは最高に美味い」って話してたんです。周りの人は呆れるし、聞いていない。
妄想は好きなんですか?
好きや嫌いではありません。妄想というか、イメージですね。。。何事でも必要なことなんです。
思うのは勝手なんですけど実際に日本一になる為に取り組んだことはありますか?
取り組んだことはイメージだけです。当然ですが、山間地のように、いい土があったり、いい水があったり、いい空気がある場所のお米が美味しいのは当たり前・・・。でも私がお米を作る場所は、平場といわれる信濃川の下流の方。特別に水がきれいとか、土が肥えているとか、空気が良いとか世間一般的に言う環境が良い場所といわれる様な場所ではなかった。でも・・・美味しいお米が出来ると思ったんですよね。
全てはイメージ。
そこに来る水にしろ、いい土にしろ、空気にしろいいもんだと思ってしまえば良いんです。思い込みが激しいんで(笑)極端な話、都会であったり、東京や大阪でも人間がイメージすることが大事なんです。
イメージが、ずーっと続いていて途中で、本当は日本一なれないのではないか? とか本当に大丈夫なのか? とか不安になりませんでしたか?
不安はありますが、不安になっても意味はありませんし目的を達成させるために邪魔でしかない。ずっと日本一になれるとイメージし続けていました。
毎日お米に話しかけているのが秘訣かな?
育てている最中は、お米とお話しするんです。「おはよう!暑いね」とかって話しかけるんです。
お花でも聞きますよね?お花に話しかけるのを止めてしまったら枯れてしまったとか。
たぶん生物すべて。生きているものすべて。人間はそれらと会話出来ると思うんです。子供にも言うんだけどどっか痛い所があったら、痛い所とお話ししてみなさいって痛い所に話しかけたら、きっと何か言ってくれるから。我が家では、そんな会話ばかりです。子供がオモチャを選ぶときも一緒で、2つ気に入ったものが有ったりすると悩んだりしますよね。そんな時、オモチャに聞いてごらんって言うんです。そしたら子供は素直だから、ちゃんとオモチャと話をするんです。で、「こっちが僕のところへ来たいって言ってるよ」て言うからじゃあ、それ買おうって答えるんです。そんな事ばかりです(笑)
お米というか稲ですよね。稲も、お話しするんですよね?どういう会話するんですか?稲さんも逆に話しかけてくれたりするんですか?
実家の近くに田んぼがあるんですが田んぼの稲が来て欲しいって言うから寄り道してから実家に行くんです。呼んでるから行くよって感じで。そのうち今何をしてほしいのかを感じとれるようになってくる。
会話以外に、他と違うことはされましたか?
稲が、その時にやってほしいことを手伝ってあげる。
何故、そんな感覚があったんですか?
ただの第六感というか、見えない世界からのメッセージを受けられるようです(笑)いま思い出したんだけど。。。小さい頃に家の周りに田んぼがあったんだけど一番に嫌だったことがあるんです。その頃は、ひどい農薬を使っていてね。農薬を散布するときは、親から「家の窓を全部閉めなさい」と言われるくらいキツイ農薬だったです。しかも家の周囲全部が田んぼだから、かなり大変だったんです。それって僕ら人間が嫌なんだから稲だって嫌なんだろうな。いくら虫退治や病気の予防と言っても稲だって嫌なんじゃないかなって・・・。
虫が付いても免疫力ある稲に育ってくれればいい
農薬を使わないとすると虫が付いたり、草が生えたり大変でないですか?
誰が大変なんですか?大変だと思っているのは人間だけで、植物は結構強い。もともと強いのですから更に元気になるように育てればいいと思います。
じゃあ、なぜ農家さんは同じ事をしないんですか?
分からない(笑)義父にも話しているんですけど話が通じない。一方通行だから(笑)ある意味で、義父は寛容だから凄いですね。好きなようにさせてくれているから出来る訳で素晴らしいですね。初めから全てを否定されたら出来ませんからね。
稲が嫌がると思って、代掻きをしなかった事があります
そうそう面白いのが、代掻きをしなかった年があります。代掻きというのは、機械(田植え機)で田植えをする為に田圃に水を入れた後、水と土をかき回して機械植えし易くする作業。つまり、農家では常識的な必須作業をやらなかったんです。
何故しなかったんですか?
代掻きすると稲が苦しいんじゃないかって思ったんです。水と土が混ざってしまうと酸素が少なくなって稲にとっては苦しいんだろうって。隙間が空いていて空気が入っていた方がのびのびと育つ事ができるだろうと思いました。常に稲の気持ちで考える訳です。そんな育て方をしていたら周りの農家の方からは、いろんなご指導を頂きます。初年度は私の事を良く知らないようで、直接聞いたことはありませんが、妻の実家ではいろいろいなお話が・・・。それが実家ではストレスだったらしいですね。私は何を言われても気になりませんが、妻の実家には迷惑をかけてしまった。
他にも色々あるんですか?
話せば色々あるんですが直接聞いたわけではないので・・・。
同じことは農家さんでなくても、極端な話、素人さんもできます
今の話を聞いた限りでは日本中のどの農家さんでも出来そうな話ですよね?
農家さんどころか素人さんでも出来ます。お金がかかる話ではない。農家さんは機械がありますが、一般の方は全てを手作業でやることになります。大変だけど自分たちが食べる米くらいの量であれば全く手作業でも問題ないくらいだと思いますよ。
コンテストで日本一を受賞した時に苦労したのは・・・
ずっと日本一のイメージをされていたので収穫の時には、自分は日本一だと思っていたでしょうけどコンテスト当日、他の農家さんどうだったのですか?
実は会場には行っていないんです。予戦も本戦も会場に行ってなくて コンテスト終了後に電話が掛かってきて勝ち上がりましたよって感じでした。行ったのは表彰式の当日だけです。
表彰式で他の農家さんと話してみて他の農家さんは変わった人でしたか?
たいした話はしていません。終始、差しさわりの無い話をしていました。
表彰式のイメージは、お米を作る前に持っていたイメージと違ってましたか?
同じでしたね。特別な感じはありませんでしたね。一番、苦労したのがコメントを求められた時です。「優勝して、どう思われましたか?」という質問に正直に答えられなかった。だって正直に話すと、変な人になってしまう。「最初からコンテストに優勝すると思ってました」なんて答えたら反感を買ってしまいますからね。電話が掛かってきた時も、びっくりしている様子を演じたことが1番難しかったですね。
お米の生産者でありたくない
いま私が話を聞いていて 米作りも、子育ても一緒かなって思ったんです。子供を育てていくにあたって、子供が嫌がることはやらない訳です。だからと言って厳しい部分も教えていきますよね。
お米を作っているんではなくてお米を育てているんです。子供を育てていると、親が子供から教わることも多い。お米も同じで、お米から教わることも多い。自分がお米から育ててもらっているような感じ。お米を頂き、体の中に入る事でお米からパワーをもらうことも多い。そんな感覚です。お米には、かなり長い歴史がありますが商売としてお米を売ってお金に交換したりお金を稼ぐ、つまり生活の為にお米をつくるという考えになった頃からおかしくなったんではないかと思うんです。
そうかもしれないですね。
僕は生産者にはなりたくないんです。お米だけではありません。人間が口にするもので、人間が育てるものに関しては生産してはいけない。生産でもそこに想いがあれば問題ない
米作りではなく、想いを込めてお米を育てること
お米も収穫してお金に換えれば終わり・・・ではないってことですよね。
想いを込めたものには、そこにエネルギーがあるんです。僕は、お米を育てる際に想いを入れています。楽しいことであったり、嬉しいことであったりありがとうってことであったり。長い作業の中で、お米に想いを映しこんでいるんです。想いを受け継いだお米は、それを食する人の所へ行って、その想いは広がって行くもの。その為にやっている。なので、不平があったり、不満があったりお金のことばかり考えていたりするとその不安が伝染してしまうんです。
作っているんではなくて、育てているんですね。米作りというか、米育てというか・・・。ちなみに、お子さんがいらっしゃるようですが...お子さんを想うのと、お米を想うのと比較すると?
比較は難しいですけど(笑)お米には色々な所で、うれしい・楽しい・ありがとうを伝染してほしい。その為にやっている。実際に全国で食べてもらうことを思って作っているんですね。このお米を食べてもらうと誰もが気持ち良くなって誰もが幸せになってくれると思うんです。それが伝染していき、人間の考え方も変わり、いい世の中になると思う。その想いを日本中に発信していきたいんです。お米は主食ですから、農家さんがそんな想いで作ったものを日本中に配れば良い。いま減反とか言っているけど、そんなことしなくてドンドン作って作りすぎたら金額が下がるとかでなくて政府が買い上げて、海外に寄付すれば良い。今までにも海外には何兆円というお金を出している。
お米を配ることによって、お米を通じて世界の人が幸せになれば良い。食料としてではなくてね。食べるのが目的でなくて、幸せになる為に米作りをしている。それを皆に、やって欲しい。農家さんも大変みたいで、兼業農家が多くサラリーマンやりながら合間に農業している。それは、お米を作っているよね。育てていない。お金の為に義務というか、やらされている感が強い。そういうのがあるかも知れない。丹精を込めて育てている人も多い。想いを込めたものは必ず世の中に伝わるという真理があって皆がその事を思い出してくれれば、そうなると思う。それを理解していないと形だけになってしまう。
日本一になって心境の変化があった
最初は、お米作りが楽しいということで始めたんだけどお米に「お前、日本一になれよ」って言ってるんではなくてあくまでも、お客様が幸せになるように作っていたのですか?
それはコンテストで賞を頂いた後の心境の変化です。想った事が実際になる。お米にも伝わる。それが賞を取ることで確信に変わった。そのことから、プラスαで色んな事を入れようって思うようになり考え方がどんどん大きく変わってきた。そのような想いで米育てをしています。
お客様にお米を食べて幸せになりましたか?とは聞けませんが(笑)どんな感想を言われましたか?
コンテストの前に、知り合いとか、取引先とかに配ったんですけどその人たちから感想を聞いたら「美味しい」と言われた。言葉ではなくて、一番、嬉しかった出来事があります。朝食はご飯よりもパン。普段からお米をあまり食べないという家庭で、そこの子供さんが珍しく「おかわり」したという話を聞いて子供って敏感だなと思った。日本一だから美味しいというのではなくて・・・賞を取る前に配ったものですからね。。そんな声があった。
誰もが出来る!日本一の美味しいお米を作る秘訣とは?
最後に、農家さんもこのホームページを御覧になっているかもしれませんが、日本一の美味しいお米を作る秘訣をココだけの話で教えて頂けませんか?
ココだけっていうか、みんな気持をドンドン込めてほしい。お米に幸せであったり感謝であったりという気持ちを伝えて欲しい。決して、こっそりするつもりはなくて、真似して行くべきだと思う。農家さんだけでなくて普通の人も真似してほしい。皆さんが「俺も日本一になるぞ」と思い描いてイメージしてコンテストに参加してきたら、面白いですね。みんな素人だったりしてね(笑)
そこでも久保さんは日本一になれる自信ありますか?
いまは日本一には、あまり興味がないんだけど美味しいのは間違いない。たぶん日本一になると思うけど(笑)。そんなことより皆さんに考え方が浸透していってほしい。
僕にとって、お米は友達です
お米の生産者じゃないと言われていましたがお米の何ですか?
お米と友達(爆)生産している訳ではなくて一緒に育っているみたいな。一方的な押し付けでなくて。それよりも、お米の方が凄い!!生産者というと工場みたいな 人間にコントロールされている、管理されてる、機械的、事務的な感じをイメージしてしまいます。実は人間が自然(お米)を管理しているのではなくてお米に管理されている。「そこに何も気持ちが入らない。ただ食べるもの。栄養学上でいう栄養素でしかない。」これでは生産者ですよね。
お米にとって、久保さんの存在は何ですか?
久保さんは、「お米と友達」と答えましたがお米は久保さんをどのような存在と思っているのか?
お米に何と思われているのか聞いたことないな。今度、お米に聞いてみます(笑)
心では友達でも 外見上は異質な存在である訳で役割が違うはずでは?
僕の役割は、地球上にあるエネルギーであったりとか自分を通して渡すことができるものを植物たちに与えている。植物本来は完成しているもの。それにプラスαで伝えるのが人間の役目。
お米に怒られた事もあります(泣)
逆に、お米から伝わってくるものはありますか?
そうそう、あります。怒られたりね。作付面積を増やしたので草取りを手だけでなくて機械を入れたんです。やはり機械だと稲が傷んでしまうんです。その後に田んぼに入ると、何か申し訳なく感じる。それは見た目でも完全に稲が表現してくる。ごめんね。「そう言わないでさ」なだめる感じ・・・「草取りは手の方がいいな」みたいにね。見た目は全然に違う。
人間の都合で、お米を育てるものではない
想いを込めて作ったら通じるものですか?極端な話、お米にもち米になれって言っても無理ですよね?
それは人間の強制ですよね?強制しているんではなくて補助しているだけ。お米にしてみれば、それ自体は美味しい訳でそれを手助けしているだけ。お米は人間に美味しく食べてもらうために生きているのではなく自分の存在を通して地球上のものが幸せになるように存在価値がある。その手助けをしているのが私たち農家。地球上に必要なものに、更に人が介して想いを入れる。「美味しくなれよ」は、こっち(人間側)の都合である。稲にとってストレスを与えずに本来の力を出して欲しい。小林正観さんが言っていたんですけど動物には2つ役目があって、生きていくことと、子孫を残すことの2つなんだけど人間には3つめの役目がある。それが、他の生物のことを思いやるって役目だそうです。それに近いものがありますね。
お米を育てる以外でも同じようなことが言えます
久保さんの考え方は他でも使えますか?
よく車を変えようと思ったら壊れますよね?家も空き家になると朽ちるのが早い。そこに想いが入っていないと滞ってしまう。現在、物理的には解明されていないものですがいわれてみれば実感していること。噂をすれば来るとかってのも一緒ですよね?
そういう考え方は昔から??
分からない。いつからでしょうね。。。
お米作りにおいてもスピリチュアルが言える時代になった
これで人生の考え方が変わったとかという本ありますか?
特にないですね。全ては順番通りにやって来て、自分にとって不要なものはない。物事は必然のみ。皆、それぞれが目的を持っているからやればいいって話。
小学とか中学とかで変わり者でした?義務教育の考え方と違いますよね?
マニュアル通りに動くんではなくて「そう思ったから」だと先生は困りますよね。こんな話、いわゆるスピリチュアルな話はちょっと前では言えなかったこと。
最後に、久保さんにとってお米作りとは一言で何ですか?
「楽しい!」楽しければ皆さんが楽しくなる。
ありがとうございました。